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失いとは?/ プロミス

[ 245] Amazon.co.jp: LOOSER 失い続けてしまうアルバム: TEAM-NACS, 森崎博之, 安田顕, 佐藤重幸, 大泉洋, 音尾琢真: DVD
[引用サイト]  http://www.amazon.co.jp/LOOSER-a?±a??c¶?a??a?|a??a??a??a?¢a?≪a??a??-TEAM-NACS/dp/B00030609C

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日本一有名なローカルタレント・大泉洋が所属する演劇ユニット“TEAM-NACS”の第10回公演を収録。“新選組”をモチーフに、隊士たちの生き様を幕末にタイムトリップした現代の三十路男の視点で見つめ、斬新な解釈で描いたオリジナルストーリー。
はじめてNACSさんの舞台を見ました。いつもとはちょっと違う5人は、いつもより数倍カッコいいです。ストーリーも新撰組がらみで分かりやすいです。ちょっと説明ゼリフがクドイ気もしますが、新撰組初心者にはもってこいです。モリさんのホンはよくできてるなぁ~と感心しました。あて書きがサイコーにおもしろい。5人仲いいんだなぁ。個人的には音尾さんが好きです。沖田が実はヒラメ顔!は前から聞いたことありました、まさにナイスキャスティング(笑)桂さんと沖田さんを見事に演じ分けてます。5人しかいないので大変そう・・・。DVDとビデオがありますが、断然DVDをオススメします。それは特典ディスクのNACSキャンプがよいから。キャンプのシーンも楽しいですが、一人一人のインタビューがいいです。彼らの演劇への真摯な取り組み方がうかがえます。
私は楽しみました。笑いましたし、感動しました。正直ちょっと泣きました。モチーフとして新撰組とはまた新鮮じゃないなあとも思いましたし解釈も別段新しさを感じはしませんでしたが、手垢が云々とか、劇団としてかくあるべき的発言とかいうのは個人の理想論でしょう?私は大上段に演劇を裁けるほど演劇に造詣が深くないのですが、それでも5人を使いまわした構成には結構感心しましたし、それは“演劇”ならではの面白さと思いました。まだまだ成長過程の劇団の、ひとつの成果として面白く鑑賞しましたよ。
私は東京公演のみ友達にビデオをダビングしてもらって見たことがあります。最初見たときは「なんだこれ?」っていうのが正直な感想でした。理解能力がないのか、一人二役以上メンバーが演じているため、初めてみたときは正直混乱しました。でも二度三度と見ていくうちにだんだん内容が理解できるようになり、理解できたら初めて感動しました。実は演劇って今の今まで見たことなかったんですけど、噛めば噛むほど味が出るってこのことを言うんでしょうかね。そして今回は幻のNACSキャンプが見られるとか。発売は12月24日。ちょうどクリスマスイブですよ。恋人や家族へのプレゼントにしたり、自分にプレゼントして自分のコレクションに加えるのに最適だと思われます。私も多分にもれずに購入しますよ!あなたもおひとついかがですか?一家に一台「LOOSER」DVDを!
※ 「この商品について語る」では、「この商品について語る」ガイドライン等に基づき、評価の高低等にかかわらず、お客様の自由な投稿を掲載しています。商品のご購入の際はお客様自身でご判断下さい。
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[ 246] 脱オタと引き替えにオタクが失いがちなもの(汎適所属)
[引用サイト]  http://www.nextftp.com/140014daiquiri/html_side/hpfiles/otaken/side_effect.htm

このサイトの特に古い時代のテキスト(脱オタ関連のテキストで2003年以前につくられたもの)では、侮蔑や差別を脱したいと思った被差別オタクが、どうすれば良いのかを考えてきていた。その是非はさておき、もしも実際に脱オタや隠れオタ化を推進した際に副作用的に生じる諸問題についてはあまりページを割いてこなかったように思える。今回は、それらの実行に伴って発生する、“副作用”とでも言うべき代償について少し触れておこうと思う。
選択の自由が個人に委ねられている状況では、一般に、ある選択をするという事は、同時に選べた筈の別の選択肢を切り捨てる、という事と表裏一体である。限られた予算・体力・時間のなかで一個人が一定時間の間に選択できる選択肢はたかが知れており、各個人の体力・経済力・知的水準のなかで、限られた資源を消費して行動選択しているのが人間だとも考えられる――たといそのチョイスがどれほど軽率なものであろうと、思慮深い選択行動であろうとも――。この選択の志向は人によって様々で、異性との交際と技術向上に努める者もいれば、将来の経済力向上やステータス向上の為に勉学に励む者もいる。何もしないで現在の安楽だけを追い求める者もいれば、現在を犠牲にしてでも未来を向上させる事にリソースを割り当てる者もいる。
さて、こういった当たり前の事を踏まえたうえで、オタク文化のヘビーコンシューマ達の行動選択について考えてみよう。彼らは、どんな事にリソースを費やしているだろうか?答えは、皆さんも十分にご存じだろう。彼らは手持ちのリソースを(計画的か非計画的か、積極的か消極的かはともかくとして)自らの狭い趣味世界に大量に投資している。投資されている金額・時間・体力は常軌を逸していることもあり、そうでなくても、大抵のオタク達は、非オタク趣味の人々が唖然とするような趣味の消費活動を続けている。例えばテレビなどで紹介される典型的なオタク部屋※1を見渡していただくだけでも、その傾倒ぶりはすぐに明らかになる。オタク達が費やしてきた膨大なリソースの痕跡がオタク部屋のあちこちに転がっている事に、あなたも気づいているに違いない。
オタク達は、余暇として得られた時間の多くを作品鑑賞や専攻分野の技術・知識向上に割り当て、コミュニケーションスキル/スペックの維持・促進にはあまり割り当てない※2傾向にある。この傾向は、オタク文化のヘビーコンシューマであればあるほど拍車がかかりやすく、例えば知識を問われるタイプのオタク(アニメ、漫画)ならオタクとして熟成するにも、アニメや漫画を鑑賞する時間がどうしても要求される※3。それが本人にとって良いことか悪いことかはともかく、とにかく彼らはアニメや漫画などの趣味に膨大な時間を投入し、それによってオタクとしての趣味性・知識的優位・心理的優越感などを獲得していく。MMOに首まで使っている人達すら同様で、自分のやっているゲームに相当量の時間を注ぎ込まなければ、あの分野では楽しむ事すら難しい。さらに、技術を問われるタイプのオタク(アーケードゲーマーをはじめとする技術系ゲーマー、プログラマなど)の場合でも、それなりの技術を獲得する為には修練の時間が必要で、専攻していないオタク/非オタク達では考えられないような高水準の技術と引き替えに、やはり考えられないような時間を費やしている。彼らの多くは、専攻分野に時間を費やす事をあまり苦痛に感じていないどころか、歓びすら感じている。
己の趣味分野に金銭や体力を割り当てることに、彼らオタクはほとんど躊躇する事が無い。躊躇をしない背景は人それぞれだろうが、ともかくも、彼らが己の趣味に対して費やす金銭と体力は半端ではない。コミックマーケットや秋葉原におけるオタク達の買い物っぷりは特に有名だが、そうでなくても体力と金銭が蕩尽し尽くし、破滅寸前を突き進むオタク達の武勇伝には事欠かない※4。殊に男性のヘビーなオタク達の殆どは、異性を惹き付ける為のスキルアップや身体機能/知的機能の開拓などにあくせくすることがなく、全ての資源を趣味に擲って顧みるところがない。全部費やして、そして全部費やしたなりの結果を彼らは享受している。時々振り返ってしょんぼりする事ぐらいはあるけれど、ね。
このような、高水準にオタク趣味を維持している者が、ある日脱オタするなり彼女が出来るなりしたらどうなるか。改めて指摘しなくても見当がつくだろうが、彼(彼女)の“千年王国”は今までと同じではとてもいられない。最も単純なレベルの脱オタ(服装・会話デバイス・文化趣向において、オタク以外の者との交流を可能にする程度のレベル)だけを実施・達成するにしても、そこには膨大な時間と金銭、体力、精神力が投入されなければならない。首尾良く擬態オタク程度まで到達できたとしても、それは一過性のものでは全く意味がない※5わけで、脱オタ・脱オタ的姿勢は、ある程度の期間は継続的な営みとならざるを得ない。10万円をポンと支払って丸井を一日かけずり回ってハイおしまいというわけにはいかないのだ。
例えば仕事もない休日を、脱オタ者はどうやって過ごすだろうか?脱オタを意識していないオタク達がネトゲなりアニメなりアイドルなりで過ごしている時間、彼らは己のスキルアップや服飾の整備のためなどにあくせくと動き回らなければならない(脱オタの最中すら必死でない者に、この困難な試みはなかなか成功し得ない)。動機がどうあれ、脱オタ者はオタクカルチャー以外のありとあらゆるものを急速吸収しなければならない為、短期間でそれを達成しようと思っていればいるほど一日あたりに要求される非オタクカルチャー吸収量・非オタクカルチャー体験量は高くなってしまう。必然的に、脱オタ者は脱オタな試みを続けている間じゅう、オタク趣味に適切な時間を費やすことができなくなってしまう。ことに、大量のアニメを渉猟しているようなアニメオタクや、技術の習得や維持に膨大な時間を要するアーケードゲームオタク・TRPGやMMOなどのように時間がなければお話にもなんにもならないようなジャンルの専門オタク達にとって、致命的な問題となる。オタクとしてアイデンティティを感じているような人なら誰でも、専門分野における衰退は寂しいだろうが、上記分野のオタク達の場合は、オタク趣味を楽しむ事すら単純に困難になりかねない。同人誌の制作や販売に携わる人達もまた、脱オタやりながら同人活動を続けるのは極めて困難か、少なくとも一定の制限を有するものと覚悟しなければなるまい。
金銭面での消耗も深刻な問題となる。幾ら仕事やバイトなどで収入を確保するとはいえ(そしてそれらは金銭と引き替えに体力や時間を容赦なく奪っていく)、脱オタにかかる金銭は相当なものとならざるを得ない。ファッションの再建や新設にかかる費用についてのみならず、新しい文化分野や交際分野の開拓に伴って、お金はものすごい勢いであなたの財布から逃げていくことになる。少なくとも、これまでのオタク生活のように、余剰資金の殆どを自分の好きな分野に投資するような真似は出来なくなってしまうわけで、グッズや同人誌を好き放題に買う生活とはオサラバしなければならない。このことは、資金的なものを要求されるオタク達(写真器材や旅行費用を要する各種オタク、フィギュア系、車系など)にとっては致命傷となりかねず、そうでなくても多くのオタクの台所事情に影響を与えてしまう。夏と冬のコミケ巡礼は思うに任せなくなるし、デスクトップの横にエロゲーを大量に積んでおくのも難しい。
ましてや、脱オタが軌道に乗っただけでなく、モテな生活に突入してした人や、素敵な彼女(や彼)が出来て本格的に遊ぶのが忙しくなってしまった人はどうなるだろうか?オタクな交際相手とよろしくやっている人は例外だが、そうでない多数の脱オタさんの場合、オタク趣味を振り返っている時間が一層少なくなってしまう――以後の余暇の過ごし方は、オタク趣味分野を離れたところに重点が置かれるのは避けられない。単に外見上の脱オタだけを目標にしているなら、ある程度アメニティが整ってしまえば一定水準のコストを払い続けるだけで済むのかもしれないが、それはあくまで脱オタという地点で止まってしまった人達の場合で、脱オタ遂行の本来の目的である、非オタク達との交流が始まってしまうとどうしてもオタク領域に割り当てるリソースが不足してしまうのだ。私の知っている何人かの脱オタク→非オタクともお付き合いとなった人達は、須くこのような傾向を有しており、彼らは多かれ少なかれオタク趣味を後退させてしまっている。ギャルゲーを放棄した症例1さんや、A級シューターとしての腕前を制限してしまった症例2さんのような話は、脱オタの行動としては珍しいものではない。確かに、彼らは脱オタ者としては成功者だ。だが、それなりの代償を支払っている。
巷では、“本物の女を知れば、キモオタ達もゲームやアニメから離れる”なんて言説が聞かれることもあるが、あれは半分正しいが半分間違っている。確かに非オタク領域における付き合い(異性との交際も含む)の楽しみを知れば、ギャルゲーがつまらなくなる人は実際多いだろうが、世の中には“それはそれ、これはこれ”な二次元も三次元も好きなオタクが大勢いるし、そんな事とは無関係なオタク領域も沢山ある。たとい二次元への興味を失わないとしても、オタク領域以外の楽しみに時間を割り当てていくとリソースを割り当て量が減少し、それだけでもオタク趣味は後退を余儀なくされてしまう。だから、本物の女を知ったからというよりは、極単純に時間とお金が足りなくなったからオタク領域が後退を余儀なくされることもあるのだ。二次元三次元の両刀を目指している脱オタな人は、この点にも注意されたい。げんしけんの高坂くんのような、非オタクとしてもオタクとしてもハイレベルを維持しえる人間は、リアル世界では非常に希で困難なものだという事を脱オタを志す者は記憶しておいたほうがいいだろう。確かにあなたにある程度の能力と持続力があるなら、脱オタだのモテだのは可能かもしれない。だが、何の代償もなくそれを達成できるかというとそんな事はないと肝に銘じておいたほうがいい。
以上、脱オタに伴って発生するオタク趣味面の後退について(珍しく)指摘してみた。結局のところ、オタク趣味に甚大なリソースを割くのであれ、脱オタやモテに血道をあげるのであれ、すべての選択には得るものと失うものがある、という当たり前の事を書いただけだが、これこそがこのテキストが主張したいところである。
オタク趣味に沢山のリソースを賭け続けるなら、非オタクがなかなか得られない愉悦が得られる一方、別の可能性が失われているし、オタクなあなたが脱オタを推進した場合には全く逆の事態が起こる、というわけである。あなたは何の為に、どれぐらいの程度の脱オタを志すだろうか?脱オタや異性の尻の魅力に過剰に囚われるあまり、自分がこれからオタク趣味の面でどれぐらいの後退を余儀なくされるかを全く考えずにいる人は、一度そこら辺を考え直した上で、慎重に脱オタ計画をたててほしいと思う。繰り返すが、全ての選択肢にはベネフィットとコストが常に存在する。脱オタという選択肢やモテへの選択肢を選ぶ人の殆どは、ベネフィットだけを念頭に置いて行動しがちで、それに伴う“副作用”についてはあまり考慮しないのが常である。もし、あなたがオタク趣味に対して単なる暇つぶしや逃避・惰性以上のものを見いだしているなら、そしてオタクとして立派に通用する技術なり知識なりコレクションなりを持っていて、オタク趣味から恩恵を受けているなら、脱オタをはじめとする非オタク趣味分野への進出に伴う痛みについて、何らかの対策か(自分自身用の)言い訳を用意しておいたほうがいいかもしれない。
オタクの部屋は整理されている事もあればそうでない事もあるが、オタクコンテンツに関連したアイテムに満ち満ちている事が多い点では共通している。同人誌、フィギュア、プラモデル、関連雑誌、DVD、ゲーム機、そしてパソコンなどのオタク関連アイテムは、一定水準以上のオタクではどうしたって部屋に蓄積せざるを得ないものである。部屋が片づいているオタクはそう珍しくもないが、自室に何のオタクグッズも置いていないオタクはあまり見たことがない。私の知人のオタクの部屋でも、一見綺麗に見える部屋でも、押入のなかを開けるとアラアラマァといった事ばかりである。
ただし、ヘビークリエイターでは必ずしもこの傾向が当てはまらないことがある。同人界隈の達人達のなかには、しばしばコミュニケーションスキルがそれほど低くない一群が存在していることには、注意したほうがいいかもしれない。特に女性のコンテンツクリエイターのなかには、極めて優れた同人コンテンツを生産する事が出来る一方で比較的コミュニケーションスキル/スペックを維持している者が混じっている。これは何も女性同人クリエイターだけにみられる現象ではなく、様々な分野の男性・女性オタクにも(数は少ないものの)幾らか認められるものである。ただし、彼ら彼女らが色んな意味で天賦の才に恵まれているのは否定できず、誰もがそんな真似が出来るかというと、なかなかそうはいかない。
この文章の文脈だと、一見するとヘビーコンシューマである→オタクとしてハイレベルである、と誤解してしまいそうだが、そんなことはない事を断っておく。確かにハイレベルなオタク達は(一部の天才肌を除いて)技術や知識の集積があってこそなので、実際にヘビーコンシューマと呼ぶに相応しい消費活動を要するが、だからと言ってヘビーコンシューマならば常にハイレベルなオタクかというとそんな事はない。どれだけ時間や金銭を消費してもどうにもならない人というのはどこの分野にも必ずいるわけで、オタク分野においてもこれは例外ではない(こういう人は、おそらく脱オタに向かったとしてもやっぱり駄目だろう)。
オタク分野にかかる時間は、オタクとして成長する為の必要条件ではあるが、十分条件ではない。もっとも、これは脱オタでも仕事でも恋愛でもみんなそうだが。
ゲームセンターでハイスコアを叩き出す事に血道をあげるような、技術系のオタク分野(アーケードゲームオタク)が存在するが、そこで起こったある話。
あるゲームオタクがハイスコアを叩き出す為にゲームセンターに通い、ありったけのお金を百円玉に両替してがんばって練習を重ねていた。しかし、幾らお金や練習時間があっても、全国の強豪をおさえて全国一のスコアを出すには心許ない。そんなわけで、彼は服装や住まいだけでなく食費までも百円玉に両替してゲームへと費やしていったのである。
彼が充てた一日あたりの食事は、カップ麺一個などというのもザラであり、バイトと食事不足でヘロヘロになりながらゲームセンターに通って、文字通り命を削ってスコア稼ぎに没頭していた。食費削りはさらにエスカレートし、遂には一日あたりうまい棒三本の生活にまで至ったわけだが、当然こんな事をしていて体が保つわけがない。遂にある日、ゲームセンターでプレイ中に彼は倒れ、情けない事にゲームセンターから救急車で担ぎ出されたのである。
彼のように、栄養失調で救急車で運ばれるほど全てをオタク趣味に捧げる勇者はさすがに稀だが、少なからぬオタクがこれに類した武勇伝(というより珍体験)を持っている。あなたがオタクなら、お友達からこういう話の二つや三つは聞いたことがあるんじゃないだろうか。
一部のいわゆる脱オタサイトでも指摘されていることだが、服飾面でマニュアル通りに脱オタ的服飾を整えれば、それで脱オタが完了したと考えるのは非常に危険だ。脱オタクファッション、或いは脱アキバ系というのは、「脱オタマニュアルに従って脱オタクファッションな服飾を買いそろえる」ことで足れりとするものではなく、オタクっぽくない服装、あるいは最大公約数の人々が身につけていてオタクだと思われにくいレベルの服飾を維持するところにこそ意味がある。脱オタマニュアルに一時的に従ったところで、その脱オタマニュアルは(これまで多くの脱オタサイトの具体的提言がそうなっていったのと同様)、急速に陳腐化し、「一般的でもアキバ系でもないが、オタクから脱オタやりましたよー」的な服装として周囲に指摘されるものとなってしまう(そしてやがてはその格好もオタファッションに呑み込まれる)。
このため、継続・発展しない脱オタは本当の意味でオタク重力圏を離脱した服飾とは言い難いものがある。継続・発展が望まれるからには(服飾面を中心とした)、脱オタとは、マニュアル化された一群のアイテムを指すものとは考えないほうが良く、むしろライフスタイル(差異化ゲームを意識したライフスタイル)と表現したほうが適切なのではないかと私は考えている。むろん、脱オタという姿勢やポリシーは必ずしもずっと続くものではない。そこからさらに“モテ”というポリシーやライフスタイル(これも一群の品物を指すものではない事は明敏な皆さんはお気づきのことだろう)に移行する者がいたり、“脱オタ放棄”というポリシーやライフスタイルに立ち戻る者がいたりすることがあったり様々だろう。脱オタという言葉自体、“オタクな服装を脱する”という過渡的な行動を本来指していたわけだから、こういった指針やポリシーもまた過渡的な傾向を持っていると考えたほうがよさそうだ。

 

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