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実はとは?/ マイワン

[ 665] 日経ベンチャーonline ニッポンの社長へ: 実はこれ、粉飾です
[引用サイト]  http://nvc.nikkeibp.co.jp/report/keiri/zaimu/20080523_001210.html

平成10年3月末のことになるが、確定申告シーズンも落ち着き、たまたまある司法書士さんの事務所に伺ったついでに、その司法書士さんと同じビルに入っていた知り合いのS社を訪問した。
雑談をひとしきりして、さあ帰ろうとした時に、奥さんが「ちょっと先生お待ちください、実は相談したいことがあります」と引き留められた。決算書を見て欲しいのだと言う。S社とは仕事上の付き合いはなかったが、「見るくらいは」ということで、拝見したのが実は全ての始まりであった。
貸借対照表を見て、棚卸しが異常に多いのにまず気がついた。また手形も借入金も多い。損益計算書を見て、売り上げが10億円以上あるのにずいぶん利益が低いし、金利も多い。一目見ただけで、バランスの悪い決算書ということがわかる決算書だった。「このままでは倒産しますよ!倒産分岐点オーバーです!」と率直に言わせてもらいつつ、棚卸しに話が移ったら、「実はこれは粉飾です」と打ち明けられた。
売り上げを上げなければ銀行からお金が借りられなくなると考え、儲からない仕事でもひたすら引き受けてきた。また、会計事務所は毎月10万円の顧問料だがなにもしてくれないと、事情を説明してくれた。
ちょっと立ち寄ったつもりが、大変なことに巻き込まれてしまったと感じつつも、商売柄、言わせてもらった。「今なら、なんとかなるかもしれません。そのかわり、抜本的な対策が必要ですね。あしたもう一度お会いして、じっくり練りましょう」。
個人の資産中、マンションと自宅の半分を会社の資本に組み入れて、つまり増資と減資を組み合わせて過年度の実質繰り越し赤字5000万円解消作戦開始。これによって債務超過脱出。
公共工事が売り上げの60%以上を占めていたが、この関係は特に経営の足を引っ張っていたので、この関係を縮小撤退の方向へ。利益率の良い仕事を受注する作戦へ転換。これによって売り上げ大幅減少覚悟。
本社をビルから撤退し、自宅の半分を簡易改造して本社とする。併せて、人員を含む各種リストラ断行作戦。
三つの金融機関から合計約1億5千万円の借金。毎月元利計290万円の返済。これを、リスケ(条件変更)して月々42万円程へ縮小。(売り上げ10億円以上のスキームで借り入れ返済計画が成り立っていたが、これを大幅に縮小)
以上の止血栄養作戦を断行し、売り上げ先変更作戦は最終的に数年かかったが、おおむね1年で作戦完了した。その結果、再生初年度の損益は、年間売り上げ1億5千万円 (前年は粉飾後10億円超)、年間純利益5百万円 (実質)となって、それまでの粉飾体質を一掃し、小さな会社でも実質利益の出る会社となった。
再生開始当初は、奥様と娘さんとただ一人残った社員さんであったが、再生2年目になると、息子さんが大学を卒業し、S社に入社した。この息子さんの縁とみんなの力で、売り上げは年々回復し、利益体質も強化され、昨年は売り上げ6億円・利益3千万円をあげる会社となった。5年前には、金融機関の月々返済も完全にもとに戻し新規借り入れもできるような状況になった。借入金残高は10年前の60%ほどですが、社長はもう借り入れる気はない。
再生話ばかりですが、実はこの間、特に株価の低い時期に入社したての息子さんに株を相当数移動してしまったので、結果的に所有面の事業承継対策も完了してしまった。さらにこの間父子での苦しい商売を一緒にやれたので、商売上のノウハウも苦労も会得し、社長は永年の苦労のため昨年脳梗塞で倒れたが、会社の経営はやる気ある息子さんの存在によって以前にもまして成長中です。
1948年、群馬県出身。70年法政大学経営学部卒業。税理士・医業経営コンサルタント。73年竹平会計勤務。78年白井会計設立。90年(株)東京パートナー会計事務所合同設立。04年コンパッソ税理士法人設立。06年同法人の代表社員就任現在に至る。「だれでもわかる企業承継の実務」・「非公開会社の法務」各第一法規出版刊。全国中小企業団体中央会委員。東京都社会的事業承継システム研究会委員。事業承継対策・相続対策・自社株対策などに精通。非公開会社法研究会員。
日本経済の成長・発展は中小企業が活性化すること。その中小企業経営者が抱える多くの悩み事、困り事を相談するところがないという声を聞きます。私共、「財務コンシェルジュ協会」に所属する職業会計人は、中小企業の社外重役をコンセプトに相続、事業承継、医業、企業再生、企業財務(事業・経営計画、経営会議、資金繰り、資産運用、M&A、人事管理)等に精通し、地域企業の経営支援に貢献する職業会計人とそのスタッフで構成されている組織です。経営上の悩み事は早期解決が先手必勝です。
著作者は日経BP社、またはその情報提供者に帰属します。掲載している情報は、記事執筆時点のものです。

 

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